ホーム選・和菓子職最新回開催報告書

選・和菓子職

開催報告

和菓子は千年を超える歴史の中で育まれ、日本の食文化を代表するもののひとつとして存在する民族の味である。
和菓子の製造技術は、原材料の特性を活かしつつ、様々な応用と変化を求められるものであり、技術の伝承と向上発展は和菓子産業の振興発展にとって重要である。
しかしながら、昨今の和菓子製造技術は、和菓子製造機械の発達により手づくりの個性ある和菓子製造技術に停滞が見られることや、技術習得のために技術者が就業店間を移動することが減少し、技術がその企業内にとどまる傾向が見受けられるなど、技術の向上が充分に果たされていないなどの問題がある。
技術力の向上には、技術の伝承や指導を効果的に行うことが求められるが、加えて技術者自身の向上意欲を高めることが重要であり、同時に技術力を正しく公平に評価すると共に各人において目標となり得るような認定制度を構築することが求められるところである。
そのため、全国を統一して技術を評価し、権威を持って技術の水準を認定すること、及び優れた伝統的技術を持つ者を認定することを通じて、技術の振興と発展に役立てることを目的として「選・和菓子職」伝統和菓子職部門及び優秀和菓子職部門を開催している。
平成27年より、伝統和菓子職部門と優秀和菓子職部門の審査を隔年で実施することとし、平成29年は伝統和菓子職部門の審査が行われ、推薦のあった7名の和菓子について慎重に審査、審議の結果、7名が伝統和菓子職として認定された。
なお、今回の第5回までに延べ45名が伝統和菓子職として認定されている。

[1]第5回 伝統和菓子職部門(平成29年実施)

伝統の技を究めた「伝統和菓子職」

和菓子には、季節の風物などを映しとって創作的な和菓子を製造することの他に羊羹、最中、蒸し菓子、焼き菓子、流し物、打ち物、押し物、その他伝統的にして普遍的な和菓子が数多く存在します。その伝統的な和菓子の製法を守り、優れた技術を有する技術者を認定する制度が「選・和菓子職 伝統和菓子職部門」です。

【推薦の状況】

今回、全国各地より7名の推薦があった。

【審査委員】(敬称略・順不同) ※役職は平成29年4月現在
委員長 細田 治 (全国和菓子協会 会長)
委員 黒川光博 (全国和菓子協会 名誉会長)
武田修一 (全国和菓子協会 顧問)
新谷真弘 (全国和菓子協会 副会長)
戸塚義正 (全国菓子研究団体連合会 名誉会長、
 日本菓子協会東和会 名誉会長)
清水正幸 (全国菓子研究団体連合会 副会長、名和会 会長)
伊丹二夫 (全国菓子研究団体連合会 顧問)
藪 光生 (全国和菓子協会 専務理事)
【審査の状況】

平成29年6月2日(金曜日)東京・浜松町東京會舘において審査会を開催し、審査委員による書類選考と当該和菓子の試食、製法等の審査により行われた。

【審査の方法】

① 認定候補者が製造する商品が、伝統和菓子職認定に相応しい商品であるか、その製造する
  菓子が、その製法も含めて一定の水準に達しているかを形状、色彩、味などの視点で
  審査した。

② 当該認定候補者が伝統和菓子職に相応しい優れた技術と経験及び人格を有しているかを
  審査した。

③ 当該認定候補者がその商品の製造技術の伝承や後継者の育成に尽力しているかを審査した。

審査委員による審査風景
審査委員による審査風景

【認定者】

審査委員会において、厳正に審査をした結果、以下の7名が伝統和菓子職として認定された。

氏  名 勤務先名 認定菓子品目 菓子名
山崎 博司 米屋株式会社 【 焼菓子 】 なごみどら焼
伊藤 浩正 竹紫堂 【 最 中 】 かぐや最中
森山 昌彦 菓心富美堂 【 焼菓子 】 紀州田辺与力
上田 藤夫 有限会社伊勢屋 【 生菓子 】 くずまんじゅう
田口 邦夫 株式会社文銭堂本舗 【 最 中 】 文銭最中
樋口 悠治 株式会社ひぐち萬年堂 【 蒸菓子 】 御目出糖
久保 幸一 有限会社明美製菓 【 最 中 】 都電もなか

【認定証の授与】

平成29年6月27日(火曜日)午後3時より全国和菓子協会 通常総会(浜松町東京會館・チェリールーム)において授与式を開催し、伝統和菓子職 認定証(盾)及び伝統和菓子職 バッジが授与された。

伝統和菓子職認定者への認定証とバッジの授与
伝統和菓子職認定者への認定証(盾)とバッジの授与

【表彰】

伝統和菓子職と認定された者には

伝統和菓子職 認定証(盾)
バッジ
が授与された。

伝統和菓子職認定証、及び、バッジ(意匠登録済)
伝統和菓子職認定証、及び、バッジ(意匠登録済)

※伝統和菓子職認定者に授与された認定証、及び、バッジの伝統和菓子職エンブレムは
 意匠登録済みのもので伝統和菓子職以外は身に付けることができない。

[2]第9回 優秀和菓子職部門(平成28年実施)

日本が誇る「優秀和菓子職」になる

選・和菓子職で「優秀和菓子職」に認定されることは、誰もが認める優れた和菓子職であり、創作的な手づくり和菓子ができる技術があることを証明するものです。同時に和菓子製造に携わる者にとって、最高の栄誉ある勲章を受けることに等しいものです。又、主催者としてこの「選・和菓子職」を最も権威ある認定制度にしていく考えです。

応募の状況

今回、33都道府県より84名の応募があった。
県別の応募状況は以下のとおり

県名 応募者 県名 応募者 県名 応募者
北海道 1 石川県 2 岡山県 4
青森県 1 福井県 3 広島県 2
岩手県 - 山梨県 2 山口県 -
宮城県 1 長野県 1 徳島県 -
秋田県 1 岐阜県 3 香川県 -
山形県 2 静岡県 7 愛媛県 -
福島県 3 愛知県 2 高知県 -
茨城県 1 三重県 3 福岡県 -
栃木県 - 滋賀県 1 佐賀県 1
群馬県 2 京都府 1 長崎県 -
埼玉県 2 大阪府 6 熊本県 -
千葉県 3 兵庫県 1 大分県 -
東京都 15 奈良県 - 宮崎県 -
神奈川県 6 和歌山県 1 鹿児島県 1
新潟県 1 鳥取県 - 沖縄県 2
富山県 1 島根県 1    
  合計 84名
認定委員会 委員、審査委員会 委員

認定委員会 委員(敬称略・順不同)

委員長 細田 治 (全国和菓子協会 会長)
委員 緑川廣親 (トックブランシュ国際倶楽部 会長、
 京王プラザホテル 名誉総料理長)
髙井和明 (日本菓子教育センター 顧問理事)
井原芳隆 (和菓子振興会 顧問)
堀越希実子 (歌舞伎 第十一代 市川海老蔵様御母堂)
司 葉子 (女優)
黒川光博 (全国和菓子協会 名誉会長)

審査委員会 委員(敬称略・五十音順)

委員長 西尾智司 (全国菓子研究団体連合会 会長)
副委員長 石川忠久 (東和会 会長)
藪 光生 (全国和菓子協会 専務理事)
委員 石川久行 (群馬県菓子工業組合 副理事長)
大江克之 (松江松和会 副会長)
梶山浩司 (東京製菓学校 校長)
鎌田克幸 (東和会 運営本部長)
北川玉一 (名和会 顧問)
小竹睦夫 (全国和菓子協会 理事)
佐々木勝 (東京和菓子協会 技術部顧問)
清水利仲 (名和会 副会長)
高家昌昭 (京都・塩芳軒 店主)
苗井満輝 (滋賀二六会 会長)
西村欣祐 (大阪二六会 副会長)
羽鳥 誠 (日本菓業振興会 副会長)
藤原政行 (東和会 副会長)
審査の状況
第1次審査

審審査は厳正、公平、公正を第一義に考え、応募者の氏名、所属などは伏せて、審査番号を付して、全て審査番号により審査を行った。

1. 開催日及び会場

開催日 :
平成28年7月28日(木曜日)
会 場 :
東京製菓学校
東京都新宿区高田馬場1-14-1

2. 審査の方法

応募者より以下の3種類の製品の提出を求めた。

(1)「薯蕷饅頭」白無地、丸腰高、中餡は小豆こし餡を使用した40g程度の製品を5個
(2)「栗饅頭」小判型、上部に黄身を塗って焼成したもの、40g程度の製品を5個
(3)「浮島を6割以上使って“山の風情”を表現した、創作性のある棹物」4cm×15cm×
   高さ3cm程度の製品を2本

3. 各審査委員が審査項目ごとに各審査品について採点した後に集計し、
  合計点を出した上で、点数上位の者から順に1次審査通過者とした。
  審査の結果、獲得点数上位の者から42名が最終審査に進んだ。

製品審査風景
製品審査風景(審査番号のみで審査)

最終審査

1. 開催日及び会場

開催日 :
平成28年8月30日(火曜日)
会 場 :
東京製菓学校
東京都新宿区高田馬場1-14-1

開会式で挨拶する 全国和菓子協会 細田 治会長
開会式で挨拶する 全国和菓子協会 細田 治会長

2. 審査の方法

最終審査は応募者の製造実技作業の状態を審査した他、以下により行われた。
製造実技の課題は、当日審査会場において発表された課題5点を「煉切」もしくは「こなし」、又は両方の製法を用いて各3個(1個45g程度)を調和良く製造することとした。

(1)当日会場で発表された課題
〔正月から春にかけての風物詩〕を題材とする生菓子5種類について、各3個を製造する。
(2)製造時間は1時間45分とした。

課題の生菓子5種類各3個を製造後、製品審査会場に所定の方式に従って提出させ、審査委員、認定委員が製品審査を行った。

審査委員による製品審査風景
審査委員と認定委員による製品審査風景

審査委員が審査項目ごとに各審査品について採点した後に集計し、16名の審査委員の合計点を出し、減点行為、製造された製品の状況等について意見を交わした上で、点数が上位の者から認定候補者とすることとし、審査委員会において認定の水準とすべき点数について議論し、認定候補者を認定委員会に諮問した。
認定委員においては各審査品について、審査委員と同様に製品審査を行った上で、審査委員会から諮問のあった認定候補者について審議し、以下の10名が優秀和菓子職として認定された。

第9回
福 岡   錬 (三重県) 上 田 浩 人 (福井県) 笹 﨑 良 太 (東京都)
戸 田 健 志 (山形県) 島 岡 樒 雄 (愛知県) 木 下   卓 (福井県)
瀬 戸 正 志 (静岡県) 渋 谷 将 吾 (千葉県) 松 元 政 喜 (長野県)
猪 子 俊 太 (石川県)    

優秀和菓子職認定者代表への認定証(盾)の授与
優秀和菓子職認定者代表への認定証(盾)の授与

これにより、第1回~第9回の認定者は129名となり、県別の認定者数は下表のとおりとなった。

県名 認定者 県名 認定者 県名 認定者
北海道 2 石川県 1 岡山県 -
青森県 1 福井県 2 広島県 5
岩手県 - 山梨県 2 山口県 -
宮城県 - 長野県 1 徳島県 -
秋田県 1 岐阜県 3 香川県 1
山形県 1 静岡県 7 愛媛県 -
福島県 1 愛知県 4 高知県 -
茨城県 1 三重県 4 福岡県 -
栃木県 - 滋賀県 4 佐賀県 -
群馬県 3 京都府 3 長崎県 -
埼玉県 5 大阪府 8 熊本県 -
千葉県 4 兵庫県 3 大分県 -
東京都 43 奈良県 - 宮崎県 -
神奈川県 7 和歌山県 - 鹿児島県 2
新潟県 1 鳥取県 - 沖縄県 -
富山県 2 島根県 7    
  合計 129名
表彰

優秀和菓子職と認定された者には

優秀和菓子職
認定証(盾)
エンブレム付ユニフォーム
バッジ

が授与された。

※優秀和菓子職認定者に授与された認定証、ユニフォーム、バッジの優秀和菓子職
 エンブレムは意匠登録済みのもので優秀和菓子職以外は身に付けることができない。

優秀和菓子職のエンブレムとバッジ(意匠登録済)
優秀和菓子職のエンブレムとバッジ(意匠登録済)

  • 認定者用ユニフォーム
    認定者用ユニフォーム
  • 優秀和菓子職認定証
    優秀和菓子職認定証

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