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間の五感は視覚、味覚、触覚、臭覚、聴覚で、食べ物に限らず人間はこの五つの感覚で生きています。

和菓子の五感。
視覚
=目で見て美しい、美味しそう。
味覚=食べて美味しい。
触覚=舌ざわりや手で持つ、切る時に感じる味わい。 これらは全ての食べ物共通ですが………

残るふたつ……臭覚と聴覚には和菓子特有のものがあります。

臭覚に訴えるものはなにか?
和菓子の香りは天然のめぐみである、米、小豆、芋、ニッキ、ショウガ、ハッカなどから生じる『ほのかな香り』です。
このほのかな香りを感じて味わうことができるのは日本人ならではかもしれません。

日本人は世界一臭覚が勝れている民族です。
平安の昔、暗夜で衣にたき込めた香の臭いでその人を認めたり、香道、香合せなども日本人の独特の臭覚の敏感性を示しています。

同時に、このほのかな香りは日本の茶との共存を生み出しました。
茶の香りを超えず、それでいて静かな主張があるほのかな香り。
ならばこそ共に生かしあうことができるのです。

聴覚は食べ物を味わう時の音のことで、たとえば、せんべいの様に食べたときのあのバリッというような音が味覚を助長するということですが、和菓子の場合はこの聴覚の楽しみを菓銘に求めています。

おおよそ、全ての和菓子には「銘(名前)」がつけられています。
それも花鳥風月、四季、和歌、俳句、歴史、郷土などに基づいた菓銘がつけられています。

たとえば、ある和菓子屋では紅葉のもみじを形どった和菓子に『龍田』『立田』または『立田姫』などの銘をつけています。
これは、「立田姫、雨にかよひて秋ごとに、染めわたしけん、橋のもみじ葉」(高畠式部) という和歌から名付けられた『菓銘』です。
和菓子につけられた『銘』により季節感や由緒を知り、その余韻を心にする。
和菓子の誇る味わいのひとつです。

菓子屋で菓銘をお聞きになって日本を味わってはいかがですか。